りく、くん……

凜久くん、……


凜久……くん…



「あっ……全然ダメ」

結局、“くん”を外せて呼べたのは、あのお昼の時だけ。



――『瑠璃』

凜久くんは、さらっと私の名前を呼んでくれたけど

私はなかなか難しいよ……。




「――……凜久…く、あっダメ」

布団の中で何度も名前を呼ぶ練習をしながら、お昼にあったことを思い出していた。




――『明日もここにおいでよ』

前の学校でも、今の学校でも、遊くん以外の男の子はみんな怖いって思ってた。

もちろん、私をいじめる女の子たちも。