シュガーピンクの淡い色で、刺繍も可愛いモノ。
「き、決めた……っ!」
それをバックに詰め込んだんだ。
あおいの言うことは素直に聞いておいた方がいいよね……?
支度を全部済ますと、もう0時を過ぎていて――妙に高鳴る胸をそっと抑えながら。
「明日は晴れますように……」
カーテンの隙間、空を覆う雲に静かに話しかけて電気を消した。
「……、りっ!」
「――…る…り……っ!」
……ん?
私を呼ぶ、声――?
「遅刻だよっ!」
肩を揺すられて、やっと目を覚ます。
「俺も悪かったんだ……」
瑠璃の寝顔見てたらウトウトしちゃって。
気が付いたら
「10時過ぎ」
凜久の言葉に急いで目覚まし時計を見ると、長い針は数字の3を過ぎたところ。
「きゃああっ、急がなきゃ!」
シュンとする凜久を部屋から追い出して、慌てて着替える。
凜久とふたり、大きなバックを抱えながら部屋を飛び出した。
「お~そ~い~」
「あおい、顔」
駅に着くと、まるで般若のような険相で立ちはだかるあおい。
と、さらりとツッコミを入れてるヨウくん。