甘い雰囲気のまま、男の子が主役のバレンタインになぜか凜久に食べさせてもらいながら。
「ホットチョコもあるよ?」
チョコが少なくなったお鍋に、牛乳を流し込んで最後はホットチョコをひとつのカップで楽しむ。
「瑠璃、ありがと」
「ううん」
凜久に、おいしいって言ってもらって良かったよ。
最後に素直になれたのは、きっと……チョコのおかげだね。
「ふぁぁ……お腹いっぱい」
あくびをする凜久は、本当に眠たそう。
「私のベッド、使っていいよ?」
何気なく言った言葉に
「瑠璃って大胆」
――これも、チョコのおかげかな?
意地悪な笑顔を浮かべるのはやっぱり凜久で。