「空ちゃん……」
肩をヒクッと上下させながら、私をキッと睨みつける。
空ちゃんのご両親の願いは分からないけど。
自分なりに、その込められた願いを考えてみたんだ。
「お外、見て――?」
大きな窓に広がるのは、雲の隙間から薄日が差す空。
「どしゃぶりの雨でもね」
あの分厚い雲の上には、青い空が広がってる。
「……あ、」
空ちゃんの瞳が、光を反射して、キラリと輝く。
薄日の差す雲、その切れ間に見えた空は、透き通るような青い空。
「あんなに大きな空でも、いつでも青い空を見せてくれる訳じゃない」
どしゃぶりの雨の日、嵐の日や、灰色の雲に覆われてしまう日だってある。
「でもね、ほら」
空を指差して。
「あの上には、いつだって青い空があることを……忘れないで」
いつしか雨は止み、広がるのは、綺麗な青空。