-あたしは


 その人から目をそらすことができなかった-


-運命-



ーその言葉の本当の意味を知ったように思えた。


「起立、始めます」


「お願いします。」



-あたしはポカーンとしていて挨拶をするのも忘れていた-



「はい。今日初めて来たけど俺は、佐藤先生のかわりに来た、三浦 海渡です。よろしくなー」


-三浦、海渡


 この人はそういう名前なのか-



「じゃあ、俺はまだ皆のことを知らないからそっちから適当に自己紹介をしてって」


「ええー」


-皆のイヤそうな声がする。


「せんせー自己紹介って何を言えばいいんですか?」


-いかにも先生に色目を使ってそうな女子が聞く。


「んー。じゃあ名前と今まで取ったテストの最低点。」


-最低点?そんなことを聞いて何の意味があるの?


「じゃああたしからねっ」


-さっきの色目づかい女が言う。


「あたしわぁ~1年2組の井上 玲奈でえす。今までのテストでの最低点わぁ~・・・9点ぐらいかな?えへ」

-そう言って座る。


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