「………?」 怪我がなくなっているので、寝台から難なく立ち上がれた。 部屋を見渡すと、なんだか難しそうな本がたくさんの本棚に、机には書きかけだろう紙と羽根ペン。 そして、大きな窓には可愛らしいレースのカーテンがかかっていた。 「……ここはどこかな。」 そういえば気を失う前に、人の声を聞いた気がする。 窓の外が明るいので、一晩寝てしまっていたのかもしれない。 青年は、不思議に思いながら、目に入った部屋の扉を開いた。