『でも…』

あたしが戸惑ってると、彼がチケットをあたしのカバンに入れた。

そしてメモ用紙とペンをカバンから取り出して、さらさらと何かを書いて、あたしに渡した。

『とりあえず、ずっとこーしてるワケにもいかないからさ、コレ俺の番号とメアド。どーしてもって言うなら、また今度タクシー代くれたらいいし、とりあえず今日は俺払っとくから☆』

そう言って、あたしを外に連れ出して、彼はタクシーに乗って行ってしまったんだ。

メモには番号とメアドと共に、彼の名前も書かれてた。

聞きそびれてた名前…