散々偉そうな口を叩いておいて、今更言う言葉もなく、彼は苦笑いしたまま視線を泳がせた。


そんな彼を、私は年上の余裕でにっこりと笑いながら見つめる。

突然、彼はまた私に再び視線を戻した。


『え~っと……そ…そうでしたか!ははっ…じゃあ僕はこれで!ごきげんよ…』

引き攣り笑いを浮かべながら、立ち去ろうとするその服の裾をグイと掴む。


『えっ……』

まだ苦笑いを浮かべる彼に、私は少し意地悪く微笑みかける。


『…で、「お兄さん」がお話聞いてくれるんだったわよね……?』


私がわざとらしく零した「お兄さん」に、彼は片手で顔を覆った。