あっけらかんと答えた美紅先輩。



「そうなんだよね、
なんか中止になってたみたいでさ。
ほんと迷惑な話よ…
おかげであたし達の計画
全部パーになるとこだったんだから」



「…は?」



「…計画?」



美紅先輩の話についていけない
獅堂先輩とあたし。



「ま、今日1日だけ特別ってことで
理事長から許可もらってあげれたけど…
費用とか後片付けとか
全部あたし達が負担したんだからね?
感謝してよ?」



「おい、ちょと待て…つまりあれか?
俺がお前から聞いたあのジンクスって…
ただの噂だったってことか?」



「へ?」



「毎年必ず何人かは実行してるとか…
昨年も実行した奴らがいたって話は
全部嘘だったってことかよ」



眉間にしわをよせながら
引きつった顔で獅堂先輩は続ける。



「俺は、昔の奴等が信じてたジンクスに
まんまとのせられたってわけか。
今の奴等は鼻で笑うような
くだらないふざけたジンクスに!」



「ちょ、ちょっと待ってよ!
何もそこまでバカにするほど
変なジンクスじゃないでしょ?
ってか…なんか勘違いしてない?」



「何を今さら…
ジンクス類にうとい俺をからかって
騙したんだろうが」



「まあ、確かにそうなんだけど…
あんたは根本的に間違ってんの。
ジンクスなんて元々無いのよ」