「何を言ってるのかまったくまったく分からないんだけど。ちゃんと説明してくれる?」

「あなた誰よ!私達はこの子に用があるの!」

「未央が怯えてるから私が話し相手になってあげてるんでしょ?」

「先輩に対してその態度はなによ!?」



私を囲んだまま楓ちゃんと先輩達の言い争いが始まった。



「か、楓ちゃんも先輩方も喧嘩はやめ…」




ガッターーーーーン!!!



急に響いた大きな音。



そのせいで辺りが一気に静まった。



囲まれてるせいで見えないけど、たぶん教室の机かイスが倒れた。



「…るせぇんだよ」



静まり返った中で聞こえてきた低い声。



「そいつが教室入れねぇだろ。さっさとどけろお前ら」



…この声…聞き覚えが…。



そう思い記憶をたどっていると、教室の入り口にいた先輩達が道を開けてくれた。

ゆっくり教室に足を踏み入れた瞬間、



「え…」



開いた口が塞がらないとはこのことだろうか。



目の前の光景に頭がついていかない。