「遅い!またお前らか!!」
教室を入るなり、担任が
大声で怒鳴り散らした。
俺は苦笑しながら耳を塞ぐ。
「颯真の寝坊グセが治らない限り、遅刻は免れませんよ。」
優斗が笑顔で言い放った。
これも、いつものことだ。
「あんたらは何でそう…」
俺が鞄を置くと同時に、
後ろの席の石井奈々(Nana Ishii)が
怪訝そうな表情を浮かべながら呟いた。
「仕方ないよ、颯真だもん!」
そんな石井の言葉を遮るように、
隣りの席の若杉陽菜(Hina Wakasugi)が
小さく笑った。
「こっちが困るっての。」
優斗が苦笑しながら呟いた。