「颯真ー!早くしろよ!!」


窓の外から怒鳴り声が響く。

俺はその声に気づき、髪をセットしながら

窓の外を覗く。


「もうちょっと待てって!」


ワックスのついた手は洗わずに

一階へ駆け下りた。


それから、机の上に置いてあった

弁当を鞄に詰め込む。


「颯真!優斗君が待ってるわよ!」

「わかってるよ!行ってきます!」


俺は勢いよく扉を開けた。



「お前…いい加減寝坊すんなよ。」



親友の優斗がため息をついた。

そんな顔を見て、俺は笑いながら肩を叩いた。