「まぐれだ、まぐれ」
そう言ってどんどん引き金を引くが、それはジュリアに一発も当たらなかった。
「何で…?」
ちょっと苛ついた様子で呟くミシェルに、ジュリアは答えを教えてあげた。
「例え弾が見えなくても、あんたの視線と銃口…。そして引き金が引かれてから弾が届くまでの時間。それさえ分かれば交わす事が出来る」
「あの一発でそれだけを…?」
ジュリアは笑った。腕に食らったのはわざと。相手の武器を観察する為。たった一発で相手の武器を封じたのは、ジュリアの才能だろう。