ミシェルの嫌味にジュリアは舌打ちした。
確かに銃弾の感触だったが、弾の見えない銃なんてあるはず無い。だがその銃をあいつは持っている。
「ほらっ!交わしてよ!」
ミシェルが見えない弾を撃って来る。ジュリアはとりあえずボロボロの車の後ろに隠れた。
「鬼ごっこの次は隠れんぼ?」
「うっさいな、あのガキ」
と、ガンガン弾を車に当てながらミシェルが突然話しを始めた。
「ちょっとお話してあげるね。私はある街に家族と引越しをしました」
「?」
身を潜めながらミシェルの話に耳を傾ける。