梓に連れてこられたのは屋上なんてベタな場所なんだろうかなんて思いつつ梓が屋上のドアをあけるのを待つ。
「零ちゃん。1ツ言っておくけど仲間を傷つける奴らを俺らは許さないよ。もちろん零もね・・・。僕は零を信用してココへ連れてきた。でも、何かやった時は絶対潰すから」
梓は真剣な目で私を見て強く言い放つ。
あぁ。コイツは絶対幹部だろう。ぢゃなきゃこんな殺気は出せない。仲間思いのいい奴。
例え誰が裏切ろうと、仲間を傷つけるものは潰す。そんな覚悟がある族はめったにいないだろう。
族は喧嘩や悪いイメージしかないだろうが、結構仲間思いの奴等もいる。
仲間を、下っ端を【使い捨て】と思うやつらほど腐った連中は嫌いだ。
下っ端と幹部・総長格の違いはある。でも、格の違いがあろうとなかろうと人は人だ。
違いなんてそんなにない。私がソレを知ったとき私は始めて【愚か者】だと思った。喧嘩っ早い私だった昔は売られた喧嘩は買う。間や他奴には【クズ】と思いっきり言い捨てた。
私が族にはいってずぐ教えてもらった。
アル偉大な人に
『俺は俺だ。他に比べるもんがねぇ。個人個人で性格や体質も違う。力も権力も。だが人は人。それだけにゃ変わらんからな。零も零。人と比べたりできねぇ。零は1人しかいねぇかんな。喧嘩で負ける奴はそりゃオマエからみて弱いかもしんねぇ。でも、奴等だってオマエだって努力すりゃ俺にもそれ以上強い奴でも倒せる。それを覚えとけよ」
あぁ何てスゴィ人だろうと感じたときだった。
それから人を【クズ・カス】と呼ばなくなった。
下っ端だろうがなんだろうが仲間を侮辱した奴等は、仲間に怪我を負わせた奴等は潰した。それから仲間から信頼され私は総長までなった。
仲間を思う族ほどィィ族はねぇ。
まぁ、恨みを買いやすいけどね☆