自分でも何故彼を見ているのかわからない。




「そーうーちゃんッ♪」


「なぁーん??」


ちょっと気の抜けたような、藤原創の返事。



「生物のノートプリーズ!!
俺の一生のお願い!!」



「やだぴょーん♪」


嫌みのない声。



「なんだよー!
冷てぇーなぁ〜〜」


「だってお前、一生の頼み何回目だよ!!笑」


「オレ、不死身だから!!」



ケラケラと笑う藤原創。



無邪気な笑顔に



私の心はまた



ピクンってなった。




とくにやることもなくて、そのまま彼らのやり取りを見てた。

結局、無事にノートを貸してもらえたらしい、藤原創の友達は自分のクラスへと帰って行った。


その後ろ姿に「落書きすんなよー」と声をかけ、穏やかに笑う藤原創。




ふと




彼が私の方を向いた。



目をそらす暇もなくて、初めて彼と目が合ってしまった…



なんだかよくわからないけど動揺する私を見て、彼はにこりと微笑んだんだ………





ピクン



ピクン