あおの声に、みんなの視線が俺とあおに向けられた。



急に見られたのがなんかおかしくって、俺とあおはお互いに顔を見合わせて笑ってしまう。



「あら。いつの間にか蒼ったら仲良くなっちゃって」



及川さんのお母さんが少し肩をすくめて、にこりと笑って言った。



「あっ、ごめんね藤原君!なんだかほったらかしにしちゃって!!」



さっきまで両親を相手に活き活きと話していた彼女は、すごく申し訳なさそうに言った。



「そういえば、まだ名前も聞いてなかったね。うち、騒がしくてごめんね。君は藤原何君って言うんだい?」



優しい口調で及川さんのお父さんに聞かれ、俺は少し緊張しながら答えた。


「自分は、及川さんと同じクラスの藤原創って言います!!なんか、突然お邪魔するようなことになっちゃって、ホントすみません!!」



勢いつけて一気にしゃべると、お母さんが笑いながら言った。



「無理矢理引っ張り込んじゃったのはうちだから、気にしないでっ♪


おばさんこそ、璃都ちゃんがお友達連れてくるの久しぶりだからなんか調子にのっちゃったみたい。


ごめんなさいね!」



「本当にお母さんったらお調子者なんだからっ!!」



「そこまで言うことないでしょーっ!!」



いじけたように言うお母さんを見て、みんなが笑った。