教室での甘くてドキドキな時間の後、ちょっと照れながら藤原創が口を開いた。
「もう、暗くなってるし送るよ」
「あ!大丈夫大丈夫!私自転車で来てるから…!」
帰り道でもこのドキドキな空間が続くのかと思ったら、とてもじゃないけど心臓が持たない…
そう思って、強く首を横に振った。
「だーめ。自転車だろーがなんだろーが、危ないから一人で帰らすなんてできねーよ」
「でも…藤原君部活の途中でしょう??」
「部活は~~~まぁ、なんとかなるって(笑)」
なんだか微妙にごまかされた気がする。。。
でも、やっぱり二人で帰るのはちょっと・・・なんて思ってると、彼はスタスタと私の手を引いて歩き出した。
「あの~、藤原君?いいの??」
やっぱり悪いなぁって思って声をかけるけど、彼は少しだけ後ろを振り向いて、
「お・れ・が!心配なの!」
と、優しく言った。
普段、教室では聞いたことの無いような、すっごく甘い声。
繋いだ手が汗ばむのを感じて、ただ、彼に引かれるまま付いて行くことしかできなくなった。