えっ……



気付くと、私の身体はクリーム色の何かに包まれていた。


それが教室のカーテンだと気付くのに、そんなに時間はかからなかった。



日の光の匂いがする。


あたたかくて、すごく落ち着く。



カーテンの上から抱きしめてくれている腕の優しさに、誰にも感じたことのない感情が芽生えた。



ココロがトキメクって、こんな感じかな…


麻痺したようにジーンと痺れる頭で、そんなことを思った。










「ごめん」



カーテン越しに声が聞こえた。


「俺、気が利かなくてごめんな。

 及川さんが心配するようなことはないから、安心して」


抱きしめてくれる腕に、少し力が入ったのがわかった。




そして…次に聞こえた言葉は…













『及川さん…

 
 俺、及川さんのことが好きだ』




藤原創の言葉が、麻痺した頭に



いつまでも、いつまでも響いた…。