あれから一週間。



肩の熱は冷めたのに



私の気持ちには明かりがついたままだった。



初めて覚えたクラスメートの名前



藤原 創(そう)。



彼は明るくて、男子女子問わず友達も多いみたい。


つまり、人気者だった。




なんだか、不思議。


たった一人の人に興味を持っただけで、今まで何もない場所だと思っていた『教室』で、音が聞こえ始めた。



色が


体温が


空気が


ここにあることに気付いた。





高校に入学して


初めて


人を感じた。





窓の外は澄み渡る青い空。



入道雲が似合う季節が



もうすぐそこまで来ていた。