ゴスッッッ



「ッッッてぇぇ…!!」


頭を押さえながら顔をあげると、口の端をヒクヒクさせている笹木先輩と目があった。



額に血管が浮き出ている。

さっきのプチッて音もしかして…




とりあえずこれは非常にヤバイ状況だと脳が判断したらしく、背中に嫌な汗が大量にふき出すのを感じた。




脳の第一指令に従って、俺は超高速回れ右を試みる。


あとは全速力でダッシュすれば、足には自信があるからなんとか…




ガシッ。




「…って、逃げれるわけないですよねー………なんて……



ッスイマセンっしたぁぁああぁ!!!!」



急いで謝るけど、時すでに遅し。





俺の頭をワシ掴みした笹木先輩の地底人みたいな声が、耳の側で聞こえた。




「グラウンドの草むしり

今日明日中に。



もちろん、一人でな」




途方もない要求に、心臓が一瞬で縮まった。



「きょ…今日明日中??


この、グラウンド…を…??」



青くなる俺の顔を見て、先輩はニヤリと笑った。



「自業自得だ」






この5秒後


グラウンドに俺の断末魔が響きわたったのは言うまでもない。





……………………ぜってームリだぁ…。。。