遅刻少年は独り言を言いながら、私のいる靴箱の前にやってきた。




しかも



彼は私の左隣に靴を入れていた。




ようするに、同じクラスの人らしかった。




靴を脱いでから、上履きに履き変えるまでのあまりの素早さに、私はちょっとビックリしてしまう。
男の子って、みんなそういうものなのかな…なんて思った。
よくわかんないけど。




彼をぼーっと見つめてしまっていた私には気付かない様子で、彼は私の横を通り過ぎていった…





と、思った。





でも

違った。



「及川さん、早くしねーと授業始まっちゃうよっ」



彼は爽やかにそう言って、私の肩をポンと叩いて行った。





予想外の展開。





触れられた部分が一気に熱を持つのを感じた……