及川さんは、たまにくすぐったそうに笑いながら、親友との思い出をゆっくりと話した。


俺は彼女が小さく笑う顔に見とれながら、静かに話しを聞いていた。



−−帰り道に二人でクレープを食べたコト

−−お揃いのストラップを買ったコト

−−ホラー映画を見に行って、二人して泣いたコト



彼女が話す思い出には、ごく普通な、仲の良い女の子たちの姿があった。


彼女は言った。

どんなに小さな出来事も、二人でいると全てが楽しかったのだと。










それは







たった一瞬だけの幸せだったけれど…………と。