「まぁまぁ、許してやんなよ。チケ代浮いたじゃん?俺なんて、友姫の分しっかり払ってんたぜ?あいつ、払ったことねぇから。社長に頼んどこうかな。」


最後はぶつぶつ言いながらツマミをあさりだした塁。

今頃何してんだろ?

まさか社長と………


「俺、帰ろっかな。」



「無理無理。わかってんだろ?今日の主役は俺とお前だぞ?ま、逆もあり。スタッフが主役だ。」


わかってる。


「じゃ、電話。」


「ぷっ!瞭くん、相当来てんね?」


うるせっ。


「ほいほい、行ってきなさい。」


げらげら笑って手をヒラヒラと振る。


「戻んなかったらよろしく。」


「ほーい。」


携帯を手にこっそり外へ。

何故か、心拍数が嫌な感じで上がり始めていた。