いつも通る廊下
でも今日はなんだか変なかんじ
すれ違う人は先生ばかり
今はみんな部活か帰っている時間だから当たり前か
「…あーあ」
ちょっぴり寂しいかも…なんて真澄に笑われそうだから絶対言わない
私は出来るだけ楽しい事を考えながら歩いた
『…ですから…』
『あの子は…』
廊下を右に曲がった先に、何人かの先生がなにやら話しこんでいるのが見えたから思わず体を引っ込めた
…通り過ぎるぐらい別に構わないよね
恐る恐る出てきて話の邪魔にならないように端を通ろうと試みた
刹那
『…柳井は本当に…』
『ですよね…』
「柳井!?」
小さく叫んだ自分の口を慌てて塞ぐ
なんとか気づかれなかったようだ
どうやら話の内容は柳井が出てきているみたいで
なんだか気になる
盗み聞き…と言えば響きが悪いが私はこの場で先生たちの話を少しの間だけ聞くことにした