「………」
あえて翠の言葉に何も言わなかったのは
実はちょっぴりそうかもなんて考えていたからで
「あっ!次移動だから早くいこう」
「え?…あ…うん!!」
思い出したように翠が立ち上がって言ったものだから少し遅れて返事をすると
教科書やノートやらを準備して、急いで教室へ向かった
―――――――…‥
「険非違使はね…」
先生は教科書をゆっくり読みながら黒板に白いチョークで意味不明(私にとって)の文字をツラツラと書いているけど
「………」
なんでだろう
今日は先生の話がすんなり頭に入る
これも柳井のせいか違うのか分からないが、集中できているのは確かだ
私は黒板を見ながら黙々とノートをとっていると
「……ん?」
前の席の翠からルーズリーフを千切ったような小さい紙切れが送られてきた