またしばらく考え込む仕草をすればお父さんが


「俺は仕事があるから行けないんだ。お母さん一人だけで行くのもなんだし…一緒に行ってくれないか?」


知人が危篤状態なんじゃないかというぐらい深刻そうな顔で必死に頼み込むものだから

「…分かった」

流石の私も折れて、仕方なくコクリと頷いた

「良かった…裕美さんがもしライブでナンパされたらどうしようかと思って…菜月がどうにか対処してくれるからこれで大丈夫だな♪」

思わず安堵の溜め息をつくお父さん

普通は娘の事を心配するんじゃないのか…?

まぁいいや

今に始まった事じゃないし


私は軽く聞き流すと、ごちそうさまと一言いってそそくさと部屋に戻った