「なんで!?私のこと心配しなかったの!?」
衝撃的な事実に少なからず動揺して早口で喋る
「いや、あいつが柳井だって知ってたし」
「はあ!?」
当然のような口振りで話す翠にまたもや驚いた
「どうして分かったの?」
そう聞いたら翠は鼻で笑って
「あいつの後ろに大量のファンらしき人がカズー♪カズー♪言いながら追っかけたから…」
普通気付くでしょって電話越しでクスクス笑われて
「気づかなくてすいませんね!!」
小馬鹿にされた感じで少しムッとした
そう言えば柳井がそんなことを言ってたような…
全く気づかなかった
ι
「…他のみんなは?」
聞くまでも無いと思うけど
「勿論みーんな家に帰したよ」
「………」
えっへんと自信満々に言われたものだから何も言えなかった
…というか疲れて何も言いたく無かったって言うのが正しいかなι
少しの間無言が続いたが
「もう良い?遅いし疲れて眠いの。柳井のことは明日みんなで聞いてあげるから。菜月も早く帰りなよ~♪じゃあね。」
「ちょ…「おやすみ」
私が答える前に翠が一方的に喋って、一方的に切られた
「………」
プープーと虚しい音だけが響く
くそぉ…
どいつもこいつも人を馬鹿にしやがって!!
再び怒りが込み上げてきて
乱暴に携帯を閉じて鞄に突っ込むと
「馬鹿やろーー!!」
夜なんか関係なしに馬鹿でかい声で叫びながら家に帰った