「じ…自意識過剰じゃないの!?私は本当の事を言っただけよ」

素早くブランコから離れて柳井と少し距離をおいた


「そっかぁ…じゃあ俺達みて格好いい~とか言ってたの誰?」

嘲笑うかのようにクスッと笑う

「聞いてたの!?」

途端に顔が熱くなるのが分かった

「架山の声大きかったからなぁ~」

クスクス笑いながらも柳井は一歩一歩ゆっくり…確実に近づいてくる

私は後退りをしながら逃げる機会を狙っていた

「なぁ」

「……」

「本当は」

「……!!」

後ろにペタリと冷たい感触


…しまった

壁だ

慌てて逃げようと試みたが…柳井の手が私の顔のすぐ両端におかれて思わず胸が高鳴った

「まだ話は終わってないんだけど?」



「…あーもう!!」

しつこい!!

チラリと時計を見ればもう1時間が経過していた

すっごくすっごーく悔しいんだけど…翠達の為なら仕方ない


「正直びっくりした。身体中が痺れるような感じになって…余りにも…格好良すぎだった!!」


自分でも何を言っているのか分からず最後の方は自棄になって荒々しく叫んだ

「まぁ…いいかな?よくできました」

満足そうにニンマリ笑うとようやく離れてくれた



「あっ、ご褒美♪」

「は…」

そう言った刹那

「~~っ!?」

頬に柔らかい感触がして私の思考が一瞬停止した