「やな…!?」
柳井と言おうとしたが、柳井は人差し指を口にあてて黙っててというジェスチャーをしたから慌てて自分の口を閉じる
なんでこんな所にいるの!?
バレないの!?
いろんな疑問が頭の中をグルグル回っていると
柳井の後ろから声がして
「馬鹿菜月ー置いてかないでよ!!」
よく見ると、真澄が鬼のような顔をして、ものすごい速さで走ってくるのが見えた
かなり怒ってる…ι
「じゃあね柳井」
やっぱり命は惜しいι
柳井に聞こえるぐらいの小さな声で言うと前にいる2人の元へ行こうと体を前に向ける
が
「ぉわっ!?」
いつの間にかクルッと体が反転させられ
再び柳井の方へ体を向けられる
「なに?」
「ちょっとだけ話ししない?」
「はぁ!?な…」
最後まで言うまえに柳井はニッコリ笑うと、私の手を掴んで何処かへ走り出した
「菜月!?」
「どうしたのぉ~真澄?」
「そんな大声なんて出して」
真澄の声に気づいた秋華は小走りで近づくと不思議そうに首を傾げ、翠は顔をしかめている
「菜月が誰かに連れて行かれた」
「はぁ!?何処行ったのよ」
「え…どこだろι」
「もぅ…真澄ぃ~」
はぁ~とため息をつく秋華
「でも、嫌がってるふうには見えなかった」
真澄は秋華の呆れた顔を見て慌てて弁論する
「………」
下を俯いて何か考えている仕草をすると
翠は
「多分大丈夫よ」
ニッコリと満面の笑みでそう言った
「きっと菜月は―――…‥」
―――――…‥