「先日ライブの件なんですが…あの写真の事はご存知でしょうか?」

「…ああ、週刊紙に出てたあの写真ですか。あれはどう考えても私の娘とカズくんですよね?」

「…ごほっ!!」

そう言い切ったお母さんに思わずココアを吹き出しそうになった

気付いていたんだ…私には聞かなかっただけで

私の速まる心拍数を他所に笹倉さんは軽く頷いた

「…はい。ですが、あの写真はお客様の一人を連れて逃げるというパフォーマンスの後、待機場所である衣装部屋で架山さんが落ちていた衣装に足を滑らせカズに抱き止めてもらったところを偶々何者かに撮られてしまったようで…

うちのスタッフが証言していたので確かです」

「あら、そうだったんですか」


「………」

…よくもまぁそんなペラペラと真面目な顔で嘘が並べられるものだι

それに可笑しいなんて一つも思わずすんなりと納得してるお母さんもお母さんだけど

まぁ、本当の事は言えないから笹倉さんには感謝しなきゃいけないんだよねぇ…


チラリとを見やれば、笹倉さんも私を見て一瞬口角を上げた





…この顔はまだ何か隠してるな