「……はい」
小さく頷いたは良いが、何処から話せばいいのか分からない
徐に二人に目を向ければ、笹倉さんがフゥ…と息を吐いて問い掛ける
「まず、流出したあの写真は本物か?」
「………」
コクリと頷くと今度はシンさんが
「単刀直入に聞く。カズとお前が逃げた後、何があった?」
「それは…」
私は少しの間考え込んで、口を開いた
「…警備員に会ったけどなんとかやり過ごして、廊下の先にあった衣装部屋に入ってそれから…」
柳井に今まで思ってた事を打ち明けて、謝ったら
…泣いてないのに泣くなって言われた
それは…多分柳井がその時大切な人…キラさんを想ってたからで
だけど、泣くなって言ってた本人が一番泣きそうだった
だから…抱き締められても、突き放す事が出来なかった
私は自分が何を言っているのか訳が分からなかったが、構わず柳井との事を話していった
「それから、熱が上がった私を柳井はおんぶしてくれて…」
そこまで言うと一呼吸おいて
「柳井の扉に少し触れました…」
「扉だぁ…?」
笹倉さんは訳が分からないという表情をしたが、シンさんはテーブルに肘を付き前髪をくしゃりとしながら目を伏せた
「…お前は、カズの何を知ってる?」
ゆらりと向けられた目は、私の胸を締め付けた