ブロロロロンー…
笹倉さんの吸っている煙草の匂いと、爽やかで…大人っぽい香水の香りが鼻をくすぐる
「………」
「………」
き…気まずい
あれから、連行(!?)された私は車に揺られながら何を言われるのかとビクビクしながら構えていたが、当の本人は無言で車のハンドルを切っていてある意味恐ろしい
痺れを切らしてチラリと笹倉さんの方を見れば不運にも目が合ってしまい肩を震わせる
「…なんだ」
「あの…今から何処に行くのかなぁ~…なんて」
横目で睨まれ苦し紛れにアハハ…と笑いながら言えば意外にもちゃんと応えてくれて
「俺の家」
「あー…なるほど笹倉さんの……え?」
思わず笹倉さんの方へ顔を向けるが、表情一つ変えずに前を向いたまま煙草を吸っている
いや…さらりと至極当然のような顔で言われたものだから危うく聞き流すところだった…ι