この言葉はその場しのぎでしかないけどそう言わずにはいられなかった
「…は…なんで?私じゃ頼りない?」
一瞬目を見開いたが、直ぐに眉をよせて不満げな声を漏らす
「違うよ!!言えないのは……私に問題があるから」
翠が興味本位で聞いてる訳じゃない、心配してくれてるんだって目を見ればすぐに分かった
だから、まだ頭の整理がついてない
モヤモヤした…中途半端な気持ちのままでこの話をするのは、柳井は勿論笹倉さんや翠に失礼だと思うから
「お願い翠…」
「………」
だから聞かないで
懇願するようにそう言えば、翠はフゥ…と溜め息をついて私から手を離した
「分かった。その代わり、辛くなったら私達に言うこと」
「……うん。ありがと」
ふわっと母親が子供を見守るような優しい笑みを浮かべる翠をみて、思わず笑みがこぼれる
「ほんと、変な所で気を遣うよねぇ~。キモいよ?」
「ちょっと、真澄ちゃん言い方が駄目」
「え?」
聞き慣れた声が聞こえて慌てて周りを見れば
電柱からひょっこり顔も性格も違う見慣れた双子が顔を出していた