「菜月ちゃん鞄!!」
「え…?」
ふらふらと扉の前まで行くと慌てて瑞希先輩に呼び止められ、自分の鞄を押し付けられる
「本当に今日変だよ?大丈夫?」
「…すいません。」
不意に頭に柳井の顔が浮かんで、消えるのと同時に胸がチクッとした
…駄目だ…自己嫌悪で泣きそう
ギリギリまで溜まった涙を溢さないように天井を見上げたけど時間の問題
「…ッ帰ります」
これ以上情けない顔を見られたくなくて瑞希先輩から顔を背けて鞄を受けとると、脇目もふらず部室を飛び出した
ガチャッ
「あっ!!ちょっとま…」
バタン!!
宮沢の制止もむなしくドアは大きな音をたてて閉まり、音を聞いた清水は不思議そうに首を傾げた