いつものようにからかうような明るい口調ではなく、相手を気遣うように優しく畳み掛けてくるナツ 「………」 嗚呼、やっぱり こいつはすごいと思った 俺が欲しかった言葉をいとも簡単に与えてくれて 肩の荷を軽くしてくれる 幼なじみの颯斗と同じくらいナツは俺をよく分かっていた 「………ありがと…」 泣きそうになるのを堪えて、震える声でその四文字を口にすると 下を俯き早足で出口へ向かった 「少しは…カズに届いたかな?」