「そーいうことだからナツ、カズを宜しく頼むな」

「はいは-い♪」

一体どこからわいてきたのかナツがシンの横からちょこんと顔を出すと、俺の顔を見て嬉しそうに手を振った


…後でぜってぇシめてやる

「それじゃあ、行ってきまーす♪」

「………」

ヘラヘラ笑うナツをよそに無言でクルリと身を翻すと早足でこの場を後にする

「あっ!!カズ待ってよぉ~」

慌ててナツもシンを気にしつつ後ろを追いかけた


―――――――…‥

「へぇ…こんな所で2人きりでいたのぉ?」

衣装部屋につくなりナツは物珍しそうに辺り見渡しながらクスッと笑う

「………」

俺は無視して目的のものを探す

数分もしないうちに見つかり、衣装掛けの横にある長椅子の上に置いてあった愛用のベースを担ぐと

早々に部屋を出ようとしたがナツに服を掴まれた

「ちょっと!!人の話聞いてた!?」

プクッと頬を膨らませて怒るナツ…正直全然可愛いなんて思わない

むしろ俺の苛々を増幅させるだけだった