頭をさすりながら振り向けばヒロが黒い笑みを浮かべて
「ほんとに貴方は大馬鹿野郎ですね。最後なんですからさっさと準備して下さい。」
「…はいι」
ヒロが敬語を遣ってるときは尋常でない位怒っているとき!!
慌て肩に掛けてあるベースを…って
「…忘れてきた」
サァーと一気に血の気が引いていくのが分かった
ヤバい…俺死んだわ
力無くうなだれていたらまた頭をバシッと叩かれて
「…そうだろうと思って私のを持ってきました」
呆れたように溜め息を吐くと、肩に掛けていた黒色のベースを渡された
「うわっ…超格好いいじゃん!!」
思わず目が輝く
キラキラと黒光りするボディに流れるような曲線をえがいた白いラインが入ってあり
シンプルだが飽きのこないデザインにヒロらしいなと思った
「あ…でもさ」
ふと、素朴な疑問が一つ浮かんできた
「ヒロってベース持ってたんだ?」