「さ…お母さん帰ろっか」
思い切り顔を逸らして、お母さんに引きつり笑いを浮かべれば
「そうね。笹倉さん、出口まで案内してもらえませんか?」
「勿論。そのために私がいるんですから」
先程私に向けた顔とは打って変わって爽やかな笑顔で応対する笹倉…さん
あー…ちょっとでも良い人かもって思った自分が馬鹿だった!!
私がムスッとした表情をしていたら
丁度私の方に振り向いたお母さんに「笹倉さんに失礼でしょ!!」と怒られた
…私に味方はいないのか
益々不満は溜まる一方だったが、ここはぐっとこらえて
小さく溜め息をつくと、渋々お母さんと勝ち誇ったような顔(私にはそう見えた)をした笹倉さんの後ろを付いていった