「あ…はい…ってやだ私ったら!!」

笹倉さんお得意の営業スマイルでお母さんを見れば

まんまと騙されてしまった私の母親はポッと頬を赤らめると

慌てて私を自分の身体から引き離して今更髪を整え始めた



急に温もりがなくなり、しばらくポカーンとしていたが

母の余りにも素直というか…滑稽な様子を見て思わず苦笑いを浮かべた



なんで営業スマイルって分かったかって?

そりゃあ…数十分前の事を思いだしたら…ね



それにしても…やっぱりこの人って


「…二重人格」

「聞こえてるぞ」


小さな声で呟いたのに笹倉さんにギロリと睨まれた



地獄耳かよι