「なにボサッとしてる。置いて行くぞ」

「すいません」


遠くから再び耳にする笹倉さんの冷めた声に

さっきまでポカポカだった心は一気に温度が下がり

ため息を吐くと、先に行ってしまった笹倉さんの後ろ姿を慌てて追い掛けた









「…ありがと」


架山を目で追いながら照れ臭くて面と向かって言えなかった言葉を


柳井が小さく呟いたのを私は知るはずもなかった