「一体…どこに…いたんだ」

息を切らしながらも、笹倉さんは威圧的な物腰で私達を見据える


「…別に、どこだって良いじゃないですか」

柳井はハァ…とあからさまに溜め息を漏らすと、気怠そうに見た

「ちょっと、そんな言い方ないんじゃ…」

「おい…お前が何をしでかしたか分かってんのか!?」

笹倉は眉間に皺を寄せると、柳井の返答が気に障ったのか、口調が厳しいものに変わる


「分かってます。説教は後で聞きますから、とりあえず架山を母親の所へ連れて行っても良いですか?熱が上がったんで…」

依然として言い方は変わらず、私をチラッと見ると再び笹倉の方へ向き直った


「架山って…お前が背負ってるその女か」

「……ッ」

何かを見極めるかのような鋭い眼差しを向けられ、嫌でも顔が強張ってしまう


「はい。俺が勝手に連れ出した…だから全て俺の責任です」

「…!!それはちが「架山は黙ってろ」

口を挟もうとしたが、すかさず柳井に制された


「だって…!!」