「ああ…そうだな」

反射的に自分は身構えてしまうが

柳井は至って冷静…というよりげんなりした顔をしていた



「あー…やっぱり笹倉さんだ」

段々と相手の姿がはっきりしてくると、ますます柳井の表情が暗くなる

「笹倉さん?」

笹倉さん…という人は上下黒のスーツ姿で

逃がさんと言わんばかりの鬼のような形相をしてこちらまで走ってきていたが


もう逃げも隠れもする気は無いので、柳井は笹倉さんが目の前まで来ると渋々足を止めた







「やっと…見つけたぞ…カズ」