「いや…別に」



急速に速まる心臓の音


痛いくらい見つめてくる柳井に耐えきれなくなり、思わず視線を逸らす


「だったらなんで目を逸らすんだ?ちゃんと俺の目を見て話せよ」


命令口調な言葉とは裏腹に柳井の手は優しく私の頬を撫でる



「それは…」


温かい柳井の手



何故か抵抗が出来ず…自然と顔が柳井の方へ向いた


すぐ目の前には奴の顔があって

真剣に見つめてくる柳井に仕方なく観念して、渋々口を開いた




「…今更ながら…柳井は有名人なんだと思ったら緊張してきたというか…柳井見てたらドキドキしてきたというか………って!!」


何言ってんの私!?


ハッ…と我に返って慌てて自分の口を塞ぐが





後の祭りだった