嘘つき…
この状況でよくそんなことが言えたものだ
私は恨めしそうに睨み付けると
「参ったなι」
柳井は肩をすくめて申し訳なさそうに眉を下げた
「悪かったって思ってるよ…でも、まさか本当に泣くとは思わなかった」
「は?だから泣いてなんか…」
反論しようと口を開いたがすかさず柳井が口を挟む
「いや、これはマジだから」
柳井は苦笑いを浮かべながら私の目尻に手を当てて軽く拭う
指には照明の光があたってキラキラと光る透明な水の粒がついていた
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