「好きになったの」 "好きになっちゃいけなかったんだよね" 哀しげな顔 目に涙を浮かべながらアイツは言った だけど 俺はあの時何も言えなかった "そっか" 次に見たとき、彼女は笑っていて 俺達に別れも告げずに それっきり姿を消した 「……っ」 駄目だ アイツじゃないと分かっているのに 気がつけば俺は立ち上がっていて 架山の方へ向かうと 後ろから抱き締めていた