「部活楽しい?」


まだ噂を信じているのか…眉を下げたまま心配そうに私の顔を見て


デザートの真っ赤なさくらんぼを口に放り込んだ


なんだ、そんなことか


「うん、楽しいよ」

即答した


まだ部活を始めて三週間ちょっとしか経ってないけど

写真の撮り方は先輩に教わりながらしているおかげか少しずつ上達してきているし、

先輩や同級生の子たちともだいぶ会話が弾んできた

まぁ…一部を除いてだけどι

でも毎日が楽しいのは確かだ


「そう…なら良いんだ」

ホッと安堵した表情をみせた


「……翠」

なんだかんだ言って一番心配してくれていたのは翠だ

最初こそは反対したけどそれは私のことを考えて言ってくれたんであって

「心配してくれてありがと」

そう思うと自然に感謝の言葉がでてきた

翠は一瞬目をぱちくりさせたがすぐに照れ臭そうに下を俯いて

「いいえ~」

ほんの少し顔をあげてはにかんだ