「戻るぞ。カップや皿はそのままでいい」
戻ってきた麻山先輩は残りの紅茶を全て飲み干すと、部室へ帰るように促す
「はい、あの…紅茶ごちそうさまでした」
私はペコリと頭を下げてそう言えば
「お礼を言うなら宮沢にも言ったらどうだ?俺はただ淹れただけだからな」
きっと喜ぶ筈だと可笑しそうに微笑する
「あ、はい。そうします」
麻山先輩って結構笑うんだな
「麻山先輩って結構笑うんですね」
気がつけば自然と口に出してしまっていた
「…煩い。早く出ないと置いていくからな」
眉間に皺を寄せたまま私を睨むと、そそくさと出口へ向かう麻山先輩
その時、ほんの少し顔が赤かったのは秘密にしておこうかな
「あっ、待ってください!!」
私はクスッと小さく笑うと、本気でおいて行きそうな勢いだったのでで慌ててドアの方へ走った