赤い髪

それにあの声


間違いない


「ねぇ…翠…あの人…」

私は視線をあの男に向けて、後ろを向いて話している翠に前を見るように促す

「なに?」

不思議そうに首を傾げながらも、体を前に向ける動作をする

顔をあげて、ゆっくりとあの男に視線を向けると

「!!!」


大きな目をさらに大きく見開いた

「あれって…朝の男よね」

「うん…」


やっぱり私が思っていた事と一緒で


翠は顔だけこっちに向けて小さな声で話す

それに私は小さく頷くと、もう一度あの男を見た


「ちょ…その髪は何ですか!!」

担任は赤髪男…柳井の髪を指差して声を荒げる

「あ"?なんか文句あんのか?」

柳井はツカツカと担任のすぐ前まで来くると、さっき聞いたような凄みのある声を出して担任を見下ろす


どうやら先生と髪の事でもめているようだ