パタンと静かに扉の閉まる音がして、少しの間沈黙…


一番最初に沈黙を破ったのは宮沢で


「あーあ、私の菜月ちゃん…行っちゃった」

宮沢は名残惜しそうに架山が行った部屋の方を見つめている


「別に宮沢先輩のじゃないでしょ。なぁ柳井?」

呆れたような口調で言うと柳井に無理やり話をふった



「………は?」

突然、名前を呼ばれた柳井はカメラを拭く手を止めて面倒くさそうに清水を見上げる

「その様子じゃ聞いてなかったなι」

凄い集中力だなって感心したように笑う

「……架山…入んのかな…」

カメラにそっと触れて小さな声でボソリと呟いた

「ん?柳井なんか言ったか?」

「………」

「無視かよι」

さっき褒めなきゃ良かった!!って口をへの字にして清水は言う

「…へぇ」

何を思ったのか平山は、意味深な笑みを柳井へ向けたまま机の上で頬杖をついている

柳井はというと…

再びカメラの手入れに専念していた


―――――――――…‥